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摂食障害の治療

家族療法


家族療法と聞くと、「悪い家族を正す治療」だという風にイメージする人もいるのではないでしょうか。
精神的な病気は、両親の育て方、子供への接し方、つまり家庭環境が悪かったのだと思われがちです。
摂食障害でも、その背景には母親との関係性があると以前から言われていました。
もちろん、人によっては家族関係が原因である場合もありますし、そうではなくて外部に原因がある場合もあります。
それは人によって違うことですし、原因追究が治療の目的ではありません。

家族療法は、「家族を正す」ための治療という意味ではなく、「摂食障害患者さんをみんなでサポートし、家族がよりよく生活できるよう、みんなで話し合い、理解を深めていく」というような治療法です。

摂食障害は、周囲から見れば当然のように毎日行う「食行動」が目に見えて異常になってしまう病気です。
拒食症患者さんをもつ親は、やせ細った子を見て、なんとかして食べさせたいと思うはずですし、過食症患者さんのいる親は、その異常な行動が理解できないと思います。
ですから、家族は摂食障害になった患者さんに向かって、ただ単に「食べなさい」「食べちゃだめ」「吐いちゃだめ」と頭ごなしに言ってしまいます。
そして、患者さんと家族の溝は深まり、症状は悪化し、親子関係までも悪化させてしまうことになりかねません。

ですが、普通に生活してきた親御さん、ご家族なら、摂食障害の患者さんに対して、どう対応していいのか分からないのは当然のことで、はじめからきちんとサポートできたり、冷静に対処できる家族は少ないものだと思います。
ですから、家族療法はまず、摂食障害がどんな病気なのかを学び、患者さんが苦しんでいるということを理解する作業から始まります。
その上で、家族には何ができるのか、どうやってサポートしていったらいのかを、医師と共に考えます。

多くの場合、摂食障害の患者さんは母親に対してその苦しみをぶつけたりしてきますので、母親に負担がかかります。
母親は、患者さんと一緒に過ごす時間も多く、患者さんが苦しむ姿を目の当たりにし、父親等より深く思い悩み苦しんでしまいます。
その際、父親や他の家族の協力と支えが必要なのですが、他の家族が患者さんの苦しみ、そして母親の苦しみや悩み、辛さを理解してくれなかったり、母親の育て方が悪いなどと言って、責任を押し付けてしまう場合さえあります。
そうなれば、母親は一人で耐え切れずに疲れ果ててしまい、患者さん自身にも大変悪影響を及ぼしかねません。
ですから、家族療法では母親を支援し、父親や他の家族も摂食障害についてよく理解し、みんなでサポートしていこうとする体制を作っていきます。

そして次に、家族の中にある葛藤や問題点があるのならばそれについて考えていきます。
家族は気付いていなくても、実は患者さんが深く傷つくようなことがあるかもしれませんし、患者さんが何か我慢していることがあるかもしれません。
親御さんは良かれと思ってやっていることでも、子供からすれば耐え難いこともあるかもしれません。
家族はみんなもう忘れてしまったような過去の出来事に、患者さんが囚われてしまい、前に進めなくなっているのかもしれません。
実は親御さんをはじめとしたご家族の中に、何か問題を抱えていて、悩み苦しんでいる人がいて、そのことで患者さんが何か悲しんでいたり苦しんでいるかもしれません。
このような家族間の問題は、家族間だけでは解決しがたいものです。
家族間では、物理的にも精神的にも距離が近すぎるからです。
患者さんには患者さんの言い分がありますし、摂食障害の渦中にいる本人は、その苦しみ等をうまく言葉にできない場合が多く、だからこそ食行動の異常としてその苦しみがあふれてきているのです。
それに、家族には家族なりに言い分があって、両者が冷静に話し合うことは難しく、感情的になってしまい、お互いに理解しあうのは難しい場合があります。
ですから、第三者であり専門家である医師の下で、問題点を整理していきます。

その家族間の問題が過去のことであるのならば、患者さんの傷を癒し、過去にとらわれず前向きに家族関係を作り直していきます。
もし、その家族間の問題が現在に起きているものであれば、みんなで解決の方法をさぐっていきます。
そして、家族の中の誰かが問題を抱えているのであれば、その人の問題も解決していけるよう考えます。

このように、家族療法は家族が一体となり患者さんをサポートしていく体制を整え、家族間の問題や悩み、葛藤がある場合はその点も解決できるようみんなで取り組んでいくような治療方法です。

家族療法のやり方はさまざまで、個人面談を行った後で、家族全員で面談を行うことが多いようです。

家族の理解とサポートは、患者さんにとって、もっとも力強く、患者さんの症状の改善にとても重要な役割を果たします。
摂食障害は、たとえ入院治療を行ったとしても、その後の家庭で過ごす時間のほうが長く、重要です。
家庭の中で、社会の中で治していかなければいけない、時間のかかる病気です。
ですから、家族が理解を示さず、患者さんが孤独や寂しさを感じてしまっては、病状は治るどころか悪化することにもなりかねません。
家族全体が安定してサポートしていく姿勢を患者さんに見せることで、患者さんも安心し、時間はかかるかもしれませんが、病状も安定してくるものです。
親御さん自身も、医師と話をすることで大きな安心感を得られ、冷静に患者さんと向き合えるようになると思います。
家族のことについて、改めて話し合い、お互いを理解しあう良い機会にもなると思います。

家族療法を行うことになった際は、ぜひ積極的に参加してほしいと私は思います。




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