嘔吐や下剤乱用への対応

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嘔吐や下剤乱用への対応


自分の子供が自ら吐いたり、下剤を大量に飲んだりするということを、親はどう受け止めるでしょうか。
私自身は、人が嘔吐する姿を見るのは、とても嫌です。
なんだか、胸のあたりが苦しくなるし、その人がとても辛そうなので、こっちまで辛い感じがします。
それがとても大切な人なら、なおさら辛いです。
大切な子が自ら嘔吐する姿を見る親は、どれだけ辛いことでしょうか。
その姿を見なくても、想像するだけできっとすごく辛いことだと思います。

また、自ら嘔吐したり、下剤を大量に飲んだりするなんて、明らかに不自然で異常な行為だと思われることでしょう。
「そんなことをするくらいなら、はじめから食べ過ぎなければ良いのに」
「なんて汚いことをするんだ」と思う人もきっといると思います。
その行為を理解し、受け入れることは容易ではありません。

それに、本人と共に生活していれば、嘔吐によって風呂場やトイレが汚れたり排水溝が詰まったり、嘔吐物の処理について本人ともめることもあると思います。
下剤を乱用すると、トイレを長時間占領してしまい、他の家族が困ってしまうこともあるでしょう。
家族としては、どうにかしてやめさせたいと思うことと思います。
ですがその前に、自発的嘔吐や下剤の乱用を、なぜやめなくてはいけないのか、どんな態度でそれに対応すべきなのかはっきり理解しておく必要があると思います。

単純に考えれば、「不自然な行為だから」とか「異常だから」というのが浮かぶと思います。
でも、そうではないと私は思います。
「その行為は異常だから」という態度で本人の行為を否定し、止めようとすることは、マイナスにしかならないように思えます。
普通ではない行為を自らしているのだということは、本人は十分分かっています。
嘔吐する惨めな姿を一番知っているのは、本人なのですから。
本人も、こんなことはしたくないと思っている場合が大半で、それでもどうしても過食をしてしまい、その後の苦しさ、体重増加への恐怖や自己嫌悪感に襲われて、そうせざるを得なくなってしまうのです。
家族や周囲は、本人が一番困っているということを忘れてはいけません。

では、本人が嘔吐や下剤乱用を心から望んでいて、納得のうえでそうしているのであれば、やめなくてもいいのではないかという意見もあるかもしれません。
確かに、過食をしても、嘔吐したり下剤の乱用をしたりすることで、太る恐怖から逃れられて、精神的にもある程度安定して、継続して普通に生活が送れるのであれば、問題はないと思う人もいあるかもしれません。
(食べたものをある程度嘔吐するのであれば体重増加は防げるでしょうが、下剤を大量に飲んでも摂取カロリーをゼロにすることはできません。下剤を大量に飲んでも、実際は摂取したカロリーの12%程度しか失われないのです。)
私は、実際に知人から「食べるだけ食べて、吐きたいなら吐けばいい。それで気持ちが楽になるのならそれでもいいんじゃないか。」というアドバイスを受けていたことがあります。

ですが、嘔吐や下剤乱用をなくしたほうが良い一番大事な目的は、その行為が異常だからとか、本人が困っているからというわけではなく、身体に悪影響だからだと私は思います。
本人がそのような行為に対して本当に苦しんでいるからそれを取り除こうとするのは当然ですが、なにより身体に悪影響を及ぼす可能性があることを継続的に行うのは本当に好ましくありません。
*嘔吐や下剤乱用の身体への影響はこちらを見てください。
                             >>>「嘔吐・下剤乱用による身体的影響」


このように、嘔吐や下剤の乱用は、とても身体に悪いことなのです。
それに、嘔吐をすることは、結果的に次の過食を引き起こすことにもなりますので、悪循環を作り出すことになってしまうのです。
ですから、なるべく早くやめたほうが良いのです。

といっても、家族が身体への悪影響について切々と話したところで、簡単に嘔吐や下剤乱用がやむかというと、それはとても難しいと思います。
嘔吐や下剤乱用は、摂食障害の特徴的な症状で、完全に治すまでには時間もかかりますし、しっかりとした指導の下で治療をしていく必要があります。
ですから、家族がやたらと「嘔吐をやめなさい」「下剤を飲むのはやめなさい」と言っていては何も解決しません。
専門家から本人に、身体への悪影響について説明してもらい、その上で、家庭ではどうやっていったらいいのかを考えていくことが大切です。
親としては、
「そんなに苦しい思いを自らしなくてはいけないほど苦しい状況にあるんだね」
「嘔吐や下剤乱用は、あなたの身体にとても悪いのよ。だから徐々にしなくていいように一緒に治療していこうね」
というような姿勢で治療に取り組んでいってもらいたいと思います。
そして、過食嘔吐に対してあまりに敏感になりすぎてはいけません。
毎日嘔吐していた人が、2日に1回の嘔吐ですむようになれば、それは大変大きな成長です。
下剤の量が少しでも減れば、本人が努力した結果です。
決して結果を急がず、おおらかに長い目で治療に取り組んでください。




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